競艇(ボートレース)の「深イン」とは?起こし距離がレース展開に与える影響
ボートレース(競艇)において、最も勝率が高いのは1コース(インコース)です。しかし、1号艇が必ず勝てるわけではない理由の一つに、**「深イン(ふかいん)」**という現象があります。
「インコースを取ったけれど、スタートラインが近すぎて加速がつかない!」という状態は、舟券予想において非常に重要な転換点となります。
この記事では、深インが発生するメカニズムや、勝敗を分ける「起こし距離」の目安、そして深インが予想にどう影響するのかを初心者の方にも分かりやすく解説します。
1. 「深イン」と「起こし距離」の基本ルール
まずは、レース開始直前の動きを理解するための用語を整理しましょう。
深インとは
待機行動中に、内側のコースを確保しようとする駆け引きが激しくなり、ボートが通常よりもスタートラインに近い位置で静止(または微速前進)してしまう状態を指します。
起こし距離とは
ボートが静止した状態からスロットル(レバー)を握り、本格的に加速を開始する地点からスタートラインまでの距離のことです。
通常の起こし距離:150m前後
深インの起こし距離:100m〜80m付近、あるいはそれ以下
2. なぜ「深イン」になると不利なのか?
競艇のモーターは、最高速に達するまでに一定の時間と距離が必要です。起こし距離が短くなると、以下のようなデメリットが発生します。
加速不足による「叩かれ」
助走距離が短いと、スタートラインを通過する際のスピード(スリットコンビネーション)が上がりません。一方で、外側のダッシュ勢(4〜6コースなど)は200m近い助走距離から全速で突っ込んできます。この速度差により、内側の艇が外側の艇に上から叩かれる(まくられる)展開になりやすくなります。
スタートタイミングの難しさ
「深イン」の状態では、少しでも早くレバーを握りすぎるとフライング(F)のリスクが高まり、逆に慎重になりすぎると大幅な出遅れに繋がります。精神的なプレッシャーも相まって、精度の高いスタートが難しくなるのです。
3. 深インが発生する主なシチュエーション
どのような時にインが深くなるのかを知っておくと、波乱の予兆を察知できます。
強引な「前付け」があった時
外枠の選手(特にイン取りを得意とするベテラン)が内側のコースを奪いに動くと、内側の選手はコースを譲るまいと抵抗します。お互いに牽制し合いながらスタートラインに近づくため、必然的にインが深くなります。
ピット離れで後手を踏んだ時
1号艇がピット離れで遅れ、外枠の艇に内側に入られそうになった際、強引に潜り込んでコースを死守しようとすると深インになります。
進入固定ではない一般戦
コース取りが自由なレースでは、勝利への執念から激しいコース争いが起こりやすく、深インの発生率が高まります。
4. 起こし距離の「限界ライン」を見極める
予想の際、どの程度の距離があればインコースは堪えられるのでしょうか。
150m〜130m(安全圏):
標準的な起こし距離です。1号艇が五分のスタートを切れば、逃げ切る確率は非常に高いと言えます。
120m〜100m(注意が必要):
やや深めの進入です。モーターの出足(低速からの加速力)が弱い馬の場合、センター勢の攻めを許す可能性が出てきます。
100m以下(危険信号):
明らかな「深イン」です。よほどモーターの出足が強力でない限り、1マークまでにトップスピードに乗るのが難しくなります。この場合、外側の「カド受け」が機能しなくなり、高配当のチャンスが生まれます。
5. 深イン時の舟券戦略:狙い目と注意点
深インを逆手に取った予想のポイントは以下の通りです。
「カド」のまくりを狙う
インが深いレースでは、4コース(または5コース)の「カド」になる選手の出番です。内側がモタついている間に、十分な助走距離から全速でまくり差す展開を想定しましょう。
モーターの「出足」をチェック
直前予想や展示航走で「出足・行き足が良い」と評価されている選手は、多少インが深くても残せることがあります。逆に「伸び型」の選手が深インになった場合は、迷わず評価を下げるのがセオリーです。
選手の「イン実績」を確認
たとえ深インになっても、卓越した技術でスタートを合わせ、小回りで粘る「インの鬼」のようなベテラン選手もいます。選手の性格や過去の進入データを確認することが的中への近道です。
6. まとめ:起こし距離を制する者がレースを制す
ボートレースにおける「深イン」と「起こし距離」の関係は、勝負の行方を左右する極めて物理的な要因です。
インコースは有利だが、起こし距離が短すぎると「壁」にならない。
100mを切るような深インは、波乱(高配当)のサイン。
スタート展示での進入隊形と、ボートが止まった位置を必ず確認する。
1号艇というだけで盲目的に信頼するのではなく、待機行動での動きから「しっかりと加速できる距離が残されているか」を冷静に判断しましょう。この視点を持つだけで、あなたの舟券の精度は劇的に向上するはずです。
次回のレースでは、ぜひスリット付近だけでなく、ボートが「どこから動き出したか」に注目してみてください。
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