「In addition」と「Moreover」の違いとは?ビジネス文書で「また」を正しく使い分けるコツ


ビジネス英語の文書やメールで「また」という言葉を使いたいとき、どの単語を選ぶべきか迷ったことはありませんか?日本語ではすべて「また」や「さらに」で済みますが、英語ではIn additionMoreoverには明確なニュアンスの違いがあります。

この使い分けができていないと、情報の優先順位が相手に伝わりにくかったり、文章の論理構成が弱く見えたりすることがあります。

この記事では、In additionとMoreoverの決定的な違いと、ビジネス文書でプロフェッショナルに見せるための正しい使い分けのコツを詳しく解説します。


1. 「In addition」は情報の「並列・追加」

In additionは、すでにある情報に「別の情報を付け加える」ときに使われます。

  • ニュアンス: 「Aに加えて、Bもある」というフラットな追加です。

  • 特徴: AとBの重要度がほぼ同じ、あるいは単なる情報のリストアップという場面で重宝します。

  • ビジネスでの具体例:

    • The laptop comes with a high-speed processor. In addition, it has a long-lasting battery.

    • (そのノートパソコンには高速プロセッサが搭載されています。さらに(加えて)、バッテリーも長持ちします。)

ここでは、「プロセッサ」と「バッテリー」という2つの特徴を並列に紹介しています。


2. 「Moreover」は論理の「補強・強調」

Moreoverは、前述した内容を「さらに強調する」ときや、「さらに重要な根拠を重ねる」ときに使われます。

  • ニュアンス: 「Aである。それどころか(さらに重要なことに)Bでもある」という右肩上がりの強調です。

  • 特徴: 相手を説得したいときや、自分の主張を補強する強い理由を付け加える際に非常に効果的です。

  • ビジネスでの具体例:

    • Our new system will reduce costs by 20%. Moreover, it will significantly improve data security.

    • (新システムはコストを20%削減します。さらに(その上重要なことに)、データの安全性も大幅に向上させます。)

「コスト削減」というメリットに、「安全性向上」というさらに強力な付加価値を重ねて、相手を納得させようとする意図が伝わります。


3. どちらを使うべき?見極めるための「3つのポイント」

使い分けに迷ったら、以下の基準で判断してみてください。

ポイント①:情報の重要度は同じか?

  • 同じ(並列)なら: In addition

  • 後ろの方が重要(強調)なら: Moreover

ポイント②:単なるリストか、説得のための文章か?

  • 箇条書きに近い補足なら: In addition

  • 相手を納得させるための論理構成なら: Moreover

ポイント③:フォーマル度の調整

両方ともフォーマルな表現ですが、Moreoverの方がやや重みがあり、論文や公式な提案書、重要な契約に関わるメールなどで好まれます。


4. 知っておくと便利な「類語」の使い分け

In additionとMoreover以外にも、ビジネスで役立つ「また」のバリエーションを紹介します。

表現ニュアンス・使い方
AdditionallyIn additionとほぼ同じ。文頭で使いやすく、スッキリとした印象。
FurthermoreMoreoverと似ているが、さらに論理的な繋がりが強い。「さらにその上」という響き。
Also最も一般的だが、少しカジュアル。メールの本文では1回程度に留めるのがスマート。
Besides「その他にも」というニュアンス。少し口語的なので、重要な文書では避ける。

5. 正しい配置と句読点のルール

どちらの言葉も文頭で使うのが一般的ですが、その後の句読点(コンマ)を忘れないようにしましょう。

  • 正しい形: In addition, we would like to... / Moreover, the results show...

  • よくある間違い: コンマを忘れてそのまま文章を続けてしまうと、読み手にとって区切りが分かりにくくなります。


まとめ:文脈で選ぶ「また」が文章を洗練させる

「In addition」は横に並べるイメージ、「Moreover」は上に積み上げるイメージです。

この2つを正しく使い分けるだけで、あなたのビジネス文書は「単なる情報の羅列」から「論理的で説得力のあるメッセージ」へと進化します。次のメールを書くときは、伝えたい情報の「重み」を意識して、ぴったりの一言を選んでみてください。


今回の使い分けチェック

  • 新しい情報をただ追加したいだけ? → In addition / Additionally

  • 相手を説得するために理由を重ねたい? → Moreover / Furthermore